『天空の城ホテルローヤル~相模湖編Ⅰ~』
廃墟theリバイバル。
以前のトライからおよそ5年。
今回は神奈川県相模湖にあるホテルローヤルへ。
最初からこちらへ向かったように思われるような書き方ですが実は「ホテルサンヒルズ相模湖」こそが当初の目的地でした。
ではなぜ目的地が変わってしまったのか。
いつも通り無計画につき、近くまで到着するも見つからず。絶対この辺だというところまで突き詰めても見当たらない。
そこで気付くわけです。
「そもそもまだあるのか?」と。
そして、新し目の情報を探ったところ火災で焼失。今は上層部をたて壊し、既存部を企業が使用しているとのこと。
はい、これにて終了。
とはならず、道中で発見していた「ホテルローヤル」へ向かってみることに。その段階で時刻は11時を過ぎたところ。
こちらのローヤルも候補には挙がっていたものの、サンヒルズの方が気になったのでそちらへ向かったんですよね。
それなのにこうした展開になるとは。
まあこれも廃墟あるあるですし、そもそもがテーマパークなどでは無いことを考えると全然あり得る話なわけで。
ということで本編。
まず入口に到着したものの、トンネルを挟んだ両サイドともに金網、南京錠により進路を阻まれる。
おそらくは車の出入り口だったそこを越えると通路となり、すぐに建物前へ。
駐車場的な場所からの全景がこちら。
思った以上に迫力があり、遠くからでも異質に映るピンクの外壁が存在感を放つ。
外周を確認したところ、1Fで入れそうなところはこの入口のみ。
ここ以外は基本的に板での打ち付け、施錠により侵入は困難。
外周からでも絶品の表情を見せるのは、廃墟という今は無き退廃の美学が存在していればこそ。
計器類の微光の差し込む鈍い鉄塊。その質感とガラスの柔らかな表情が手招きする。
かと思えば燦燦と降り注ぐ木漏れ日に照らされた陰翳。
目につきがちなグラフィックにも眩い日差しが青を快活に見せる。
下階へと繋がるその階段、このグラフィックは逆に沈みゆくトーンの淀みを反映しつつ、内包する穏やかさを微小ながら感じさせてくれる。
淡いトーンを纏いつつ、描かれるキャンバスは硬質のそれ。このアンバランスさに退色した色味の円やかさ、中和された調和がそこに宿る。
これだけでも満足度は高いものの、これで終わりなのかという気持ちもある。
色々と探った結果、可能性を感じる箇所は2Fに見えるこの一カ所しか残されていない。
さぁ、どうしたものか。
つづく。