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バディ映画の新境地!『ウルフズ』クルーニー×ピット再共演が炸裂するApple TV+の注目作

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『ウルフズ』

Apple Original Films『ウルフズ』 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画


www.youtube.com

ジョージ・クルーニーブラッド・ピットが「バーン・アフター・リーディング」以来16年ぶりに共演し、同じ事件現場で鉢合わせした2人のフィクサーの共闘を描いたクライムアクション。

重大事件を隠蔽する裏社会のもみ消し屋=フィクサーのジャックは、ある男を始末する依頼を受ける。早速現場へ足を運んだものの、そこへもう1人のフィクサーであるニックが現れ、なぜか同じ依頼を受けていたことが判明。これまで一匹狼として暗躍してきたジャックとニックは渋々ながらも2人で仕事に取り掛かるが、死んだと思われていたターゲットの男が生きており、逃げ出してしまう。慣れないタッグでターゲットを追ううちに、彼らは謎の組織の犯罪に巻き込まれていき……。

慎重派のジャックをクルーニー、行動派のニックをピットが演じ、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」のエイミー・ライアン、「ケミカル・ハーツ」のオースティン・エイブラムスが共演。トム・ホランド主演版「スパイダーマン」シリーズのジョン・ワッツが監督・脚本を手がけた。Apple TV+で2024年9月27日から配信。

年始にApple TV+が無料で見れたのでそちらで気になっていた『ウルフズ』からスタート。

そもそもジョージ・クルーニーブラッド・ピットの共演、主演となればそのルックだけで興味が湧くわけですが、『コップ・カー』を撮っていたジョン・ワッツというのも胸アツポイント。

何より予告を観た時のルックですよね。

完全に好きなやつやん。そう思ったのがまずもってなわけで、やはり期待を裏切らない面白さ。

万人受けするかと言われれば全くそんなことは無いですが、少なくとも自分の中ではかなりハマった。

冒頭からスリリングな画作りに仰々しい効果音が耳を刺激する。

生々しい描写には遠慮も無く、さすがApple TVがやることだなと。

こうした余計な制約が入らない作品づくりというのは観ていて痛快で気持ち良い。

そこから特段説明が無いものの、スッと入ってくるのは事実の積み上げと結果による端的でシンプルな構成ゆえ。

この手際の良さからさっそうと主役が登場するわけですが、そこまでの運びから一転、シリアス、コメディ路線への橋渡しが成され、まことに面白い展開へ。

ジョージ・クルーニーブラッド・ピットだから成せるというのもありますが、掛け合い、関係性が名コンビそのもの。

撮影にしてもショットのスムーズさに驚いたのですが、フォーカスの合わせ方が絶妙かつ的確。

ヌルっとした合わせ、キリッとした合わせ、どちらも使い分けつつ、基本的には整った構図で見せる、人やモノの配置が惚れ惚れする。

会話のテンポと相まり、会話劇に引き込まれるというのもありますし、それだけで飽きないという画的な面白さがあるのも本作の物語性あってのこと。

では物語はということですが、これは本当にシンプルな死体隠蔽裏稼業もの。

なので特段凝った面白さがあるわけでは無いのですが、この二人だと間が持つんですよ。さらにそこに青年が加わることで一層とんでもない方向へ向かうわけです。

どのシークエンスもそうなんですが、画の面白さがあるから飽きさせないというのは非常に大きいところなのかなと思うわけで、演者の存在感、画の面白さが両輪で引っ張っていく。

あとは単にカッコ良さですよね。

逆セブンかよと突っ込みたくなるようなバディものでもあり、その二人が相容れないっていうんだからなおさらのこと。

それが徐々に良い距離感になってくるというのも魅力的なんですよね。

車の使い方、選び方もそうしたカッコ良さに拍車がかかっており、本作で使われているのは「BMW E60 (550i)」のようですね。

このBMWブラックボディにブラックホイール、憧れます。

What model of bmw is this? (From wolfs 2024) : r/BMWGeorge Clooney and Brad Pitt as Wolfs in Leather and Cashmere » BAMF Style

これをラフに乗りこなすジョージ・クルーニーも渋いですし、エンジンの低音がたまらない。

謎解き要素を表立って楽しむよりもその過程をゆるりと楽しむ。

ピンチョン的であるような弱い繋がりが呼応して真相に迫るところはジリジリと迫る興味深さに満ちているなとも思わされます。

音楽の良さもそうしたところにあって、かゆいところに手が届くような選曲。

場の雰囲気、全体の空気感との距離感が丁度良い。

スローでメロディアスな楽曲を基調とし、クラシカルな演出でスパイスを。そこに尖った効果音が時折入ることで絶妙なバランスが取れてくる。

ゲーミフィケーションされたような展開に見えるというのもサントラの冥利だと思いますからね。

中でも「Just the Two of Us (feat. Bill Withers)」の使い方は痺れましたね。

open.spotify.com

とにかく場の空気を良い塩梅に調和させ中和させてくれる丁度良さが詰まっている。楽曲の豊かさが物語のそれと相関していく感じですかね。

その意味でいうとコミカルさのバランスも中々。

思わず笑ってしまうシュールな笑いと生真面目な展開が物語の弛緩剤としてタイミング、程度、面白いくらいスムーズに受け入れられる。

やり取りが間抜け過ぎるんですよ。物語のシリアスさ、二人のキャラクターに対して。それが成り立つのもやはり彼らだからというのもあることでしょうけど。

あとはラスト、この終わり方が実に良い。

そこまでの流れもそうですが、話の持っていき方がいちいち洒落てるんですよね。

引っ張りすぎないけど、綺麗に終わらせるわけでもない。微妙なバディ感が最後まで微妙なんだけど、結局最高のバディじゃんと思わせてくれる幕引きに感服いたしました。

すでにもう一度観たくなってきた。

では。


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